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越本7回TKO負け 引退/ボクシング

- 7R、越本は崩れ落ちレフェリーに抱えられる。左はロペス(撮影・多田篤)
<WBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦>◇30日◇マリンメッセ福岡◇観衆4000人
父子の挑戦が、終わった。王者の越本隆志(35=Fukuoka)が7回2分49秒TKO負けで、初防衛に失敗した。今年1月に日本人最年長で手にした世界王座を懸け、同級14位ルディ・ロペス(22=メキシコ)と対戦。最後は担架で運ばれる完敗だった。越本は試合後、引退を表明。ジム会長から退くことを明らかにした父英武会長(63)の後を受け、新たなスタートを切る。
リングに横たわった越本の耳に、現役最後のゴングが響いた。日本人最年長世界王者のボクサー人生が、終わった。担架で運び込まれた医務室でまず父に、そして控室で決断を口にした。「本日をもってプロボクサー越本隆志は引退します」。父英武会長の「お疲れさん。長い間頑張った。ありがとう」という言葉と拍手が、右目を腫らした敗者を温かく包んだ。
35歳6カ月。右肩腱(けん)盤の断裂、年齢と闘い続けたが力尽きた。13歳年下の挑戦者の左フックを腹に受け、2回からリズムが狂った。「ペースを取り返せる自信がなかった。思った以上に相手を打てなかった」。防戦一方となった7回。左フックとアッパーで追い込んでくる相手の勢いに、記憶が薄れた。TKO負け。ひざから崩れ落ちた。
悔いはない。00年の世界初挑戦は失敗。引退もささやかれた。「離れていく人が多い中、支援してくれる人に応えたかった」。興行が難しい地方のハンディを背負った父と追いかけた夢を今年1月、35歳でかなえた。「自分は名チャンピオンでなく、あきらめの悪いボクサーだった」。0円ファイトで王座を獲得した後、ファンの寄付で300万円の「ファイトマネー」を手にした。越本の姿が人々の共感を呼んだ証しだった。
今後もこの世界で生きる。父英武会長が「自分もけりをつけようと思う」と会長の座を譲ると表明。「オヤジがつくったジムを継ぐ。現役時代に培った経験を無駄にせず、また一から歩みだしたい。14年間やってきたことを誇りに思って、今後の人生を生きて行く」。再び地方ジムから世界王者を-。陰で支えてくれる父とともに、次なる夢に挑戦する。【村田義治】
◆越本隆志(こしもと・たかし)1971年(昭46)1月5日、福岡市生まれ。父英武会長がジムを開いた中学3年でボクシングを始める。92年11月にプロデビュー。94年全日本フェザー級新人王、96年11月に同級日本王座を獲得し6度防衛。00年1月にWBA同級王者ノーウッド(米国)に挑んだが9回KO負け。再起後に東洋太平洋同級王座を獲得し7度防衛。今年1月に2-1判定で池仁珍(韓国)からWBC世界王座を獲得した。身長177センチの左ボクサーファイター。
[2006年7月31日8時54分 紙面から]
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