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不都合な真実/石川優子シネマ愛ランド
[2006年12月19日]
今回は「不都合な真実」(1月20日からKBCシネマ、TOHOシネマズトリアス久山など全国で公開)を紹介します。デービス・グッゲンハイム監督のドキュメンタリーは、米国のゴア前副大統領の講演活動を追ったもの。地球温暖化を食い止めるため、自分が何をすべきかを考えさせられる作品だ。
米国のブッシュ政権が、ここにきて相当、分の悪い兆しを見せ始めました。これでアメリカの暴走が収まり、冷静な方向に事態が好転してくれることを祈ってやみません。しかし今ごろになって、イラク戦争は間違いだったと反省しても、犠牲になった罪なき多くの人々の命は帰ってこない。突っ走って、反省するというのではベトナム戦争の二の舞いではないかと新たな憤りも感じるのですが、それでもこの自浄作用のあるところが、まだアメリカの救いといえるでしょうか。
さて、ここにブッシュ氏と大統領選で戦い、自国の過ちに警鐘を鳴らす男が1人。前副大統領アル・ゴア氏。つかの間、大統領当確と報道されたにもかかわらず、結果的に(ブッシュ陣営が票を操作したともっぱらのうわさですが)大統領になれなかった男。彼は長年、地球温暖化の危機を唱えて、世界各国で講演を続けています。彼のスライドを使った講演が「不都合な真実」というタイトルの、素晴らしいドキュメンタリー映画になりました。
ゴア氏が温暖化問題に注目し始めたのは、1960年代の後半から。息子を事故で失いそうになったことがきっかけで、最愛の息子が住む「地球」の未来を思うようになり、さらに大統領選に敗れて以後、温暖化の危機を伝えることが自分の「使命」だと考えるようになったそうです。スライドを使って説明される地球の変化。私たちが日常的に感じている異常気象。地球温暖化による人類の危機が現実味を帯びて迫ってきます。しかしそれを食い止めるために、私たち1人1人にできることがある。映画は危機感以上に、それを人々に伝えることを目的としているのだと感じました。映画「華氏911」をご覧になった方はブッシュファミリーと産油国との癒着はご存知のはず。アメリカにできることは、まず「不都合な真実」にふたをし続けたブッシュ政権を倒して京都議定書に同意すること、でしょう。
◆石川優子(いしかわ・ゆうこ)大阪府出身。79年「沈丁花」でデビュー。84年にチャゲとデュオを組み「ふたりの愛ランド」で人気に。FMヨコハマで映画番組のDJをするなど、映画通としても知られる。94年に結婚し、1児の母。
【京都議定書(きょうとぎていしょ)】
正式名称は、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書。97年の地球温暖化防止京都会議で議決された。先進国の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロンなど3ガス)の排出量について、法的拘束力のある数値約束を国ごとに設定している。90年を基準に日本の場合は08~12年中に、マイナス6%を目標としている。ロシアなどの締結を経て05年に発効したが、米国、オーストラリアは、まだ締結していない。
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