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西本聖氏「ソフトB大場『背筋強い』」

◆西本聖氏

 思い切り腕が振れた。すべて全力だった。いわゆる置きに行く球は1球もなかった。ソフトバンク大場の良さは何よりこれだ。オープン戦初登板、それも地元での巨人戦となれば、ついつい結果を求めてストライクをとりに行く。それが皆無だった。

 真っすぐも変化球も同じように腕が振れる。4回、巨人阿部がスライダーに三振したが、腕の振りに思わず手が出てしまった。軸がしっかりして、踏み出した左ヒザもぶれない。制球を乱し自ら崩れてしまうということもないだろう。

 ただ、全力で投げるというのと、力むというのは違う。力むと余分な力が入る。抜け球、逆球が多かったのがその表れだ。上体が先に出て、顔が一塁方向に流れる。テークバックで腕が背中に深く入る分、上体について行けず遅れてしまう。それでひじが出てこない、指にかからない。抜け球、逆球が増えることになる。

 それでも背筋が強いのだろう。腕が多少遅れても、一気に引きあげ上半身をかぶせて勢いのある球を投げた。逆球でも球威があるから相手は打ち損じた。背筋の強さは伊良部や野茂を思い出させた。ひじや肩に故障がなく、どんどん投げることで調整するというのも頼もしい。先発ローテに入って結果が出せる投手と見た。(日刊スポーツ評論家)

[2008年3月2日9時36分 紙面から]

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