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ソフトB王監督「稲尾さんの遺志継ぐ」

- 亡くなった稲尾氏との思い出を語る王監督(撮影・梅根麻紀)
伝説はホークスが受け継ぐ。ソフトバンク王貞治監督(67)が13日、急逝した稲尾氏にV奪回を誓った。西鉄ライオンズで日本シリーズ3連覇するなど九州から日本球界をリードした鉄腕。王監督は「稲尾伝説」を若手の見本とし、九州に「黄金時代」を再来させる決意を示した。日本一を願っていた“ご意見番”の遺志を引き継ぐつもりだ。
目を閉じるとやわらかく、温かみがある笑みばかりが浮かんだ。「ニコニコして温和な雰囲気があってね。今回の訃報(ふほう)と重ならないよ」。稲尾氏の急逝に触れ、王監督はそう言うと目線を落とした。「クライマックスシリーズの時に千葉で会った時はいつも通りで体調が悪いと思わなかったけど…」。ほんの1カ月前に見た笑顔はもう見られない。寂しさが込み上げた。
王監督は巨人入団が決まっていた58年、西鉄が奇跡の逆転日本一を飾った巨人との日本シリーズを後楽園球場のスタンドで観戦。「九州のチームに、強い巨人がああいう形(3連勝後に4連敗)でやられ、東京出身で入団が決まっていた僕は個人的にショックだった」。4連投4連勝で優勝に導いた伝説を目の当たりにした。プロ入り後は63年日本シリーズで対戦。「最終的に巨人が勝ったけど稲尾さんには2試合やられた。その時は剛腕というより、コントロールのいい、頭脳的なピッチングだった。こうあるべきというお手本になる投手でした」。脳裏からその姿が離れることはない。
近年は解説者の立場からコーチ陣だけでなく選手にも惜しみなくアドバイスを届けてくれた。この日、王監督は「ホークスは九州のチーム。『稲尾伝説』は若い選手にとって将来をイメージする上でも一番の投手」と話し、ソフトバンク投手陣に見本とするよう求めた。チームは4年連続で日本一どころかリーグ優勝を逃した。強いホークスの復活を見ることなく、稲尾氏は逝った。それ故に王監督の胸にあったV奪回の思いは一層と高まった。
王監督 本人もまさかこうなるとは思わなかっただろうし、随分心残りがあると思う。遺志を継いで、我々が九州の野球を盛り上げたい。遺志を受け継いで頑張りたい。
「遺志」を2度繰り返し、稲尾氏が支えた西鉄のような「黄金時代」の再来を誓った。天国からチームを見守る鉄腕へ、まずは来季「5年ぶりの日本一奪回」という知らせを届ける。【押谷謙爾】
[2007年11月14日8時54分 紙面から]
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