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ソフトB6連勝、川崎先制&サヨナラ打

- 9回裏、ソフトバンク川崎はサヨナラ打を放ち杉内と抱き合う
<ソフトバンク4-3西武>◇29日◇福岡ヤフードーム
ムネリンに始まり、ムネリンで終わった。ソフトバンク川崎宗則内野手(26)が3-3で迎えた9回裏2死満塁でサヨナラ打を放った。初回の2号先制ソロを含む3安打で、今季9度目の猛打賞。TMKが無安打の中、この男がチームを6連勝に導いた。日本ハムも勝ち首位復帰はお預けだが、50勝38敗3分けとし、貯金を今季最多の「12」に戻した。
右手を突き上げた川崎を目がけ、ナインの突進が始まった。今季5度目のサヨナラ勝ち。チームのだれもが認める元気印がその主役なら、祝福のパンチにも力がこもる。「絶対にヒーローになる気持ちで行きました。打った感触? 覚えてませんよ。みんなの強いパンチしか」。体に残る心地よい痛みがうれしかった。
3点のリードを帳消しにされた5回以降、西武涌井を攻めあぐね、多村、松中、小久保の主軸もノーヒット。苦しい展開で迎えた最終回だった。先頭の柴原からつないで満塁機が用意され、2死から川崎の胸は高鳴った。「もうね、技術的なものじゃない。バットを使わず、気持ちで打ちました。後は体が自然と反応しました」。実際は涌井の150球目、低めの変化球をしっかりバットでとらえ、一、二塁間をゴロで抜いた。04年8月1日の日本ハム戦以来、実に3年ぶり3度目のサヨナラ打。その「瞬間」は覚えていなかった。
初回の先制ソロは技術で放った。内角低め138キロ直球を右翼席に一直線で飛ばした。「人生最長距離ホームランかも、というくらい飛んだ」。飛距離115メートル弾の秘密は心酔するイチローにあった。06年オフに合同自主トレを行った際、「バットを極限まで軽く握ってインパクトで力を入れる」という打法を教わった。その「瞬間」を習得するため、福岡ヤフードームの室内打撃場に1人でこもり、置きティー打撃を行ってきた。
左手の力が強く、バットをこねる傾向がある。左の打撃グローブを外したり、親指に衝撃吸収リングをはめるなど、自分なりの工夫も忘れない。「フリー打撃で多村さん、松中さん、小久保さんと一緒の組だけど、自分が飛ばないのは分かっている。でもタイミングが合えば、あそこまで飛ぶ。また練習したい」。イチロー理論を会得しつつある、手応えも残った。
3回にも中前打を放ち、今季9度目の猛打賞。守備ではマウンドに駆け寄り、1歳上の杉内に「タメ口」でゲキを飛ばし、勝利をアシストした。「打たれてカリカリするので、僕が声をかければスッとするみたい。今日も効きましたね」。攻守ともに存在の光った“川崎デー”だった。
6連勝で、50勝38敗3分け。5月18日以来、2カ月以上、45試合をかけ、貯金を今季最多の「12」に戻した。それでも王監督はどん欲だった。「6月は交流戦も含めてしんどかったが、こういうので気持ちが乗る。投手陣の調子は上がっている。でも夏場はバッターがカバーしないといかん」。お立ち台では川崎がチームの気持ちを代弁していた。「明後日からのオリックス、楽天も強い。気を抜かず、勝ってかぶとの緒(お)を締めろです」。ゴールはまだ先だ。【押谷謙爾】
[2007年7月30日8時58分 紙面から]
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