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今秋、鉄腕稲尾が甦る/Catch

- 鉄腕稲尾の像を前に彫刻家の板井氏は最後の仕上げに入る
「鉄腕」が再びよみがえる-。プロ野球・西鉄ライオンズのエースとして活躍した稲尾和久氏(69=日刊スポーツ評論家)の往年の投球フォームの等身大ブロンズ像を制作している大分市在住の彫刻家・板井文雄さん(57)が6日、ほぼ完成に近づいた銅像のひな形を公開してくれた。稲尾氏のブロンズ像は今秋、別府市内に開場する「稲尾記念球場」に併設される記念館に設置されるもので、高さ175センチ。通算276勝を挙げた不滅の大投手の力感あるピッチングを本物そのままに表現している。
「稲尾さんと2人でつくっているという感じです」。板井さんが銅像制作に取り掛ったのが今年3月。稲尾氏の母校・別府緑ケ丘(現芸術緑丘)の後輩という縁もあって声がかかった。ようやくひな形も完成形に近づいたが、ここまでは苦労の連続だった。高校時代は水泳部だったという板井さんは、実際に稲尾氏の投球を見たのは58年日本シリーズで巨人に逆転4連勝したシーンだけ。まだ小学生だったが大人用の自転車にまたがり、近所のテレビにかじりついた記憶があるだけ。彫刻家としてイタリアで約30年生活してきた板井さんは、舞台美術などの経験もあるがスポーツ関連の彫刻は初体験。試作のひな形を3体、等身大ひな形を1体つくったが、稲尾氏の厳しい? 要求もあって改良を重ね続けてきた。工房のある大分市に稲尾氏自身も3度足を運び、ようやく納得の投球フォーム姿が見えてきた。「一番苦労したのは両腕の高さ、腰の入れ方ですね。たった5センチ違うだけで、体全体の筋肉の動きもすべて変わってしまいますから」。写真だけでは筋肉の細かい動きや力感が分からないため、投球ビデオを繰り返し見続け、自らの感覚に鉄腕の動きをすり込んだ。工房では稲尾氏も実際にグラブを手にユニホーム姿でモデルになったほどだ。
「みなさんには『あ、稲尾だ』と感じてもらえればうれしいですね。稲尾さんの像をつくれて幸せです」。この秋、稲尾氏の故郷・別府の町に豪快な「鉄腕」がお目見えする。【編集委員・佐竹英治】
[2007年6月7日8時38分 紙面から]
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