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ソフトB松中が祝砲で9連勝

1回裏ソフトバンク1死一、二塁、松中は右越えに先制の7号3点本塁打を放つ
1回裏ソフトバンク1死一、二塁、松中は右越えに先制の7号3点本塁打を放つ

<ソフトバンク3-2楽天>◇1日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが主砲松中信彦内野手(33)の一振りで、連勝を今季最長となる9に伸ばした。初回。楽天先発永井の直球を豪快に右翼席中段へ運び去る7号先制3ラン。この日、プロ11年目でフリーエージェント(FA)権取得条件を満たした主砲が、節目の試合で自ら祝砲を打ち上げ、王監督にホークス通算850勝をプレゼントした。今季、本塁打を放った試合は7戦全勝で、26打点も小久保と並びリーグトップタイとした。先発杉内俊哉投手(26)は8回5安打2失点で、チームトップの4勝目を挙げた。

 4番としての意地と誇りが詰まった一撃だった。初回。1死一、二塁の好機。松中は期する思いを押し殺すように、打席に入った。「プロとして同じ相手に、2回も3回も同じやられ方をするわけにはいかない」。カウント1-1からの3球目。楽天先発永井の141キロ内角高め直球を狙いすまし、強引に右翼席中段まで運び去った。見送ればボールという高めの球。「ちょっと強引にいったけど、ヘッドをきかせたし、打った瞬間に入ると思った」。選球眼のいい男が珍しくボール球に手を出すほど、気持ちは高ぶっていた。

 伏線は前回4月17日、永井と初対戦したときにあった。チームは8回3安打2得点とルーキー右腕に抑え込まれ、プロ初勝利を献上。松中自身は1打数無安打、2四球と勝負を避けられた感はあるが、プロ1年生に内角をしつこく攻め込まれた。「前回あの球(内角直球)でやられた。今日は何としてもあの球を打ってやろうと思っていた。今日はリベンジの気持ちで打った」。球界を代表するスラッガーとしての本能が、呼び起こされた瞬間だった。

 結局、チームがこの日奪った得点は、松中の本塁打による3点だけ。これで松中が本塁打を打った試合は今季7戦全勝。さらにこの9連勝中に放った本塁打は5本で、そのうち3本が決勝本塁打と、まさに大車輪の活躍だ。松中は「4番なので、4番が打てばチームは勝つということ。最近はいい仕事、役割を果たせてるかな」と素直に喜んだ。打点も26とし、小久保と並んでリーグトップタイに躍り出た。

 96年ドラフトでダイエー(現ソフトバンク)を逆指名しプロ入りした松中はこの日、11年目でようやくフリーエージェント(FA)権取得条件を満たした。「11年間、大きなけがなく1軍でプレーできたことは誇りに思う。選手にとっては1つの勲章」。05年には球界史上最長となる7年契約を締結。「自分は逆指名でホークスに入団した。ここでユニホームを脱ぎたいと思っている。オレには関係ないけど、権利を取った日に打てていい記念になったかな」。生涯ホークスを誓った主砲は、“記念日”を自らのバットで祝った。

 主砲の1発で、チームは05年6月14日~7月6日で15連勝を記録して以来の9連勝。王監督にとっては、ホークスの監督を務めて通算850勝となった。「終わってみればという感じだったね。あの1発が大きかったよ。850勝? そうなの? ちりも積もればだね」。指揮官の表情も緩む一方だ。そんな節目の白星を運んできたのは、11年間、王監督が手塩にかけて育て上げた松中の1発だった。【石田泰隆】

 ◆王ホークスの9連勝 95年に王監督が就任して以来、9連勝以上は今回で4度目。過去の内訳は

 ▽00年9連勝(9月1日~12日=オリックス3、日本ハム2、西武3、ロッテ1勝)

 ▽04年11連勝(6月6日~19日=西武1、日本ハム3、オリックス3、近鉄2、ロッテ2勝)

 ▽05年15連勝(6月14日~7月6日=横浜3、楽天2、日本ハム3、ロッテ2、オリックス2、楽天3勝)

 5月での9連勝は王ホークスでは一番早い時期での達成。連勝がスタートした4月20日は首位と3ゲーム差の3位だったが、一気に首位に躍り出た。過去3度も2位から1位となり、00年は優勝、04、05年はシーズン1位を果たした。

[2007年5月2日8時50分 紙面から]

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