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ソフトB黒田獲り参戦、総額30億円超補強

原爆ドームを背に背水の陣で交渉に臨む広島の黒田(撮影・岡本肇)
原爆ドームを背に背水の陣で交渉に臨む広島の黒田(撮影・岡本肇)

 王ソフトバンクが総額30億円超の大補強に乗り出す。広島黒田博樹投手(31)がFA宣言した場合、争奪戦参戦を正式決定したことが30日、分かった。今オフは野手補強を積極的に行う方針だが、来季の試合数増加に伴い、先発投手の整備も急務と判断。この日、福岡市内で行われた球団役員会で「黒田獲り」を最終決定した。条件面では3年総額10億円を用意する。FA戦略では、小久保裕紀内野手(35)も3年10億円で獲得に乗り出す方針を決定済み。フリオ・ズレータ内野手(31)の残留には2年総額8億円を準備するなど、新人、新外国人の獲得費を含めると、40億円近い資金投入で、大補強に乗り出す。

 ソフトバンクが本社、球団の総力を挙げて広島黒田獲りにアタックする。10月下旬からの秋季練習中、王監督とフロントが雁の巣球場(福岡市東区)で、今オフの補強策を再検討。球団は来季の144試合制導入に伴い、先発投手のさらなる補充が必要と判断。FA補強では、すでに巨人小久保の獲得に名乗りを上げる方針を決定していたが、さらに「黒田獲り」にも参戦することで意見が一致した。球団側は予算面を含めて協議を続け、この日、本社の取締役も務める笠井和彦オーナー代行兼社長(69)が出席した球団役員会で、最終確認したもようだ。

 残留交渉中の広島に加え、阪神、西武など複数球団が参戦する争奪戦は、水面下では阪神入りが濃厚、と伝えられている。それでもソフトバンクは、豊富な資金力をバックに、交渉のテーブルに着く。

 黒田への提示条件は、エース斉藤和が昨オフ3年約9億円の複数年契約を結んでおり、チーム内のバランスも考慮して、3年総額10億円前後を用意する見込み。黒田が求める「優勝争いできるチーム」という球団の魅力を前面に押し出し「法外な要求以外は聞く耳を持ちたい」(球団関係者)と、黒田側の要求を最大限、受け入れる態勢を整えた。

 ソフトバンク本社のバックアップ態勢も整った。竹内球団常務は今オフの補強について「経費に見合うだけの実力が見込めるのであれば、補強費の上限は設けない。球団をどうしても強くしたい、という考えは孫オーナーも同じだと思う」と、青天井予算は孫オーナーのお墨付きだ。本社は約2兆円をつぎ込み携帯電話事業に参入。社運をかけた大型事業の真っ最中だが、野球事業は球団買収後、2年連続プレーオフ敗退。一昨年オフにダイエーの球団買収に乗り出した際、孫オーナーは「やるからには何事も1番でなければ嫌」と明言した。その強烈な反骨心が「王型補強」にも反映されたようだ。

 今オフの補強費は30億円を超える勢いだ。巨人小久保獲りには「3年総額10億円」を準備した。11月から残留交渉を開始するズレータには2年総額8億円を上限に交渉に臨む方針だ。現時点で野手1人、投手1人を想定している外国人にはそれぞれ1億円前後の年俸を想定。大学・社会人ドラフトの希望枠で獲得する近大の大隣憲司投手(4年)らの契約金、年俸などを含めると、30億円は楽に超える。「FA、トレード、外国人を含めて去年より思い切って(補強を)やらないと。去年までこれほどやらなきゃ、と切実に思うことはなかったが、今年はある」と王監督も補強の必要性を強調した。仮に黒田獲得に失敗した場合は、外国人投手の補強にシフトチェンジする。トレードを含め、王ソフトバンクが大補強に乗り出す。

 ◆ソフトバンクの今オフ大型補強 王監督の意向を受け、攻撃力アップを最大のテーマに掲げ、大型補強に乗り出した。野手の補強ポイントは捕手、三塁、外野手。三塁はFAで巨人小久保の獲得方針を決定している。捕手は大学・社会人ドラフトで即戦力の評価が高い、白鴎大・高谷裕亮捕手(4年=小山北桜)をリストアップし、外野手は外国人、トレードなどで戦力アップを図る構想だ。外国人選手ではカブレラ、カラスコを来季戦力構想からすでに除外。新外国人選手は外野、指名打者候補の野手2人、中継ぎの投手1人を基本線に獲得調査を進行中。ズレータの残留交渉の行方にもよるが、最大で外国人4人制の導入も検討している。

[2006年10月31日8時44分 紙面から]

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