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ソフトB逆転札幌行きでWBC再現へ

8回表、二塁、ズレータは勝ち越しの3点本塁打を放ち一塁へ向かう
8回表、二塁、ズレータは勝ち越しの3点本塁打を放ち一塁へ向かう

<プレーオフ第1ステージ:ソフトバンク6-1西武>◇9日◇インボイス西武

 さあ次なる決戦の地は札幌、そして福岡へ帰る-。ソフトバンクが、プレーオフ史上初のシーズン3位から第2ステージ進出を決めた。1-1の同点で迎えた8回、フリオ・ズレータ内野手(31)が左中間へ決勝3ランを放った。都内の自宅でテレビ観戦した王貞治監督(66)も「WBCの逆転優勝を思い出した」と、自らが指揮を執って初代世界一に輝いた3月のWBC王ジャパンの快進撃を予感。「王監督の胴上げ」を合言葉に戦う選手たちが夢の実現へ、また1歩近づいた。シーズン1位の日本ハムと戦う第2ステージは11日、札幌ドームで開幕する。

 あの野太い声が興奮していた。球団関係者の携帯電話に響く声の主は、王監督だった。3位からの第2ステージ進出は史上初。しかも、エース斉藤和で初戦を落とし、がけっぷちからの2連勝。王監督の声がはずんだ。「選手たちは本当に頼もしいな。この2試合、先制されながら逆転して、本当にうちらしい戦い方ができた。WBCの逆転優勝を思い出したぞ」。WBCの王ジャパンの快進撃をチームとだぶらせた。

 眠れる打線は、目覚めていた。5回に寺原が1点を先制されたが、7回に代打稲嶺が同点打。引き分けでも西武が第2ステージに進出する。迎えた8回無死一、二塁。5番ズレータが打った。「絶対に打つ、という気持ちで打席に入る前からエキサイトしていた。今季、西武の投手に抑えられた全打席の悔しさを、この一打で晴らせた」。117キロのスライダーを左中間スタンドに運んだ。「王監督が大変な思いをしているので、そのためにも勝ちたい。いいプレーをし、勝つことが一番の薬になる」と、ズレータは心の奥にある思いを吐露した。

 王監督との出会いがあったから、今のズレータがある。03年シーズン途中に来日。パワーあふれる打撃も外国人特有の強引なスイングが目立った。「そんなに力いっぱい振らなくいいんだ。当たれば飛んでいくんだから」。世界の王の教えに素直に耳を傾けた。右方向への打球を意識し始め、打撃の幅が広がる。昨年は打撃3部門ですべて2位。今季もチーム最多の29本塁打を放った。

 8日の試合後、王監督は森脇監督代行にこう話していた。「WBCのときの感動に近いものがあった。選手を大いにほめてやりたい。自信を持って戦ってほしい」。その言葉は宿舎でのミーティングで伝えられていた。WBCでは自力による1次リーグ突破の可能性が消えた状態から得点率の差で準決勝進出。予選で2連敗を喫した韓国を準決勝で破り、キューバを倒して初代世界王者に輝いた。逆王手でよみがえったWBCの感動は、一夜で世界一の思い出と重なるまでに鮮明な手応えとなった。

 チームは試合後、第2ステージの舞台、札幌に移動した。今プレーオフ、チームは「王監督の胴上げ」を合言葉に戦い続ける。試合後、王監督は角田球団代表に「みんなに感謝している。おれを福岡に行けるようにしてくれ」と漏らしたという。まずは札幌で勝ち、王監督のその言葉をかなえる。【中村泰三】

 ソフトバンク川崎(ノーヒットも好守備でもり立て)「今日は守りで(チームの)リズムをつくれた。第2ステージでも頑張る」

 ソフトバンク大村(7回の4打席目には頭部へのビーンボール。9回にも死球を受け)「頭は絶対、アカンよ。こっちも人生かけてやってるからね」

[2006年10月10日8時14分 紙面から]

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