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ソフトB王監督の直接ゲキ効果だ、12点

7回表ソフトバンク、代打大道の右前打で二塁走者の松中も生還。捕手は橋本
7回表ソフトバンク、代打大道の右前打で二塁走者の松中も生還。捕手は橋本

<ソフトバンク12-0ロッテ>◇29日◇千葉マリン

 王監督、安心して見ていただけましたか―。ソフトバンク打線が指揮官の思いを胸に、後半戦最多の12得点の猛攻でロッテを一蹴した。4回にズレータの3試合連続25号2ランで先制するなど大量12得点。先発新垣は完封だ。この日、千葉遠征のチーム宿舎に、都内の病院に入院中の王監督が駆け付け、全体ミーティングに“飛び入り参加”。飛ばしたシーズン1位突破へのゲキにナインがしっかりとこたえた。

 ソフトバンク打線が王監督の存在の大きさを、改めて実証した。5点リードで迎えた7回。2死三塁の好機から打線がつながった。3番田上が右前適時打を放つと、2死満塁の場面では代打大道も右前へ2点適時打。仕上げは途中出場の仲沢が左翼席へ2号2ランを放ち、試合を決めた。「今日のミーティングで王監督の『しっかりバットを振って行け』という言葉を実践しようと。それだけを考えていた」。4月5日の日本ハム戦(東京ドーム)以来、プロ2本目の本塁打を放った男は、指揮官へ感謝いっぱいの様子で話した。

 この日の宿舎出発前、胃がんの手術を受け、栄養指導を受けるために都内の病院に再入院している王監督がチーム宿舎を訪れ、出発前の全体ミーティングに“飛び入り”で参加した。この日の午前中に正式決定したことで当然、王監督の来訪を選手が知るはずもない。白のポロシャツにクリーム色のパンツ姿で現れた指揮官は、ユニホームを着ていた時とは明らかにやせ細っていた。だが、胸の中に秘めた闘志は、誰よりも熱いものだった。

 王監督 年初に掲げたトップでゴールするという気持ちを、今日からの試合でもう1度、鮮明にしてほしい。強い気持ちと仲間を信頼する気持ちを持って戦えば、いい面が必ず出てくる。9月は我々の月だ。

 前日28日に4番松中、斉藤和選手会長、川崎選手会副会長の3人が入院後初めて王監督の病室を見舞いに訪れた。その他のナインが王監督と顔を合わせるのは、入院を発表した7月5日の西武戦(福岡ヤフードーム)以来、実に55日ぶり。命を懸けて戦ってきた指揮官の言葉は、チームにしっかりと伝わっていた。

 「本当に心強い出来事だった。本来は体が丈夫な人があんなにやせられて、それでも(宿舎に)足を運んで頂いた。そんな姿を見て何も感じない人は1人もいない」。チームを預かる森脇監督代行は感謝の言葉を並べた。この日、2安打とチャンスメークに徹した主砲松中も「監督が来られた日に負けるわけにはいかない。ふがいない試合はできなかった」とナインの思いを代弁した。

 この日の三塁側ロッカー室には、巨人李の打撃フォームを映した写真が張られていた。王監督が首脳陣へ「選手に参考にするように」と伝言を残してのもの。チームを離れても共に戦う指揮官の気遣いで、3試合連続2ケタとなる13安打の猛攻を見せた。「残り18試合、全力で戦う。王監督を絶対に胴上げする。それが足を運んでくれた監督へ応えること」。森脇監督代行は最後まで、指揮官への感謝を忘れなかった。【石田泰隆】

 再入院後のソフトバンク王監督のゲキメモ

 ◆8月6日 2日の退院後、静養先の関東近郊で食事をのどに詰まらせ、慶応病院(東京)に再入院。

 ◆同7日 病室のCS放送受信設備を再設置。

 ◆同11日 2試合連続完封した先発斉藤和を、「安心して見られる投球だった」と電話で直接ねぎらった。この日からのオリックス3連戦中に松中に電話で「上からたたいて、右方向に強い打球を打て」と助言。

 ◆同12日 田上が11球粘って逆転打を放ち7連勝。「粘った気迫、あの姿をみんな見習うべきだ」。

 ◆同13日 延長12回引き分け後、森脇監督代行に「投手に頼りすぎている。いま1度、打線に奮起してもらわないと」と漏らす。

 ◆同18日 西武との直接対決で31試合ぶりの2ケタ得点に「すごい執念を感じた」。

 ◆同24日 サヨナラ負け後、士気を高めるため「全体練習をした方がいいのでは」と話す。

 ◆同25日 西武涌井対策として「始動を早くしろ」と金森打撃コーチに伝授。

 ◆同28日 見舞いに訪れた松中に病室でシャドースイングを交え「もっと楽にミートを心掛ければ大丈夫」と助言する。

 ◆同29日 千葉市内の宿舎を訪れ全体ミーティングで10分間ゲキ

[2006年8月30日8時26分 紙面から]

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