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ソフトB今季初サヨナラ勝ちで開幕3連勝

- サヨナラ安打を放った柴原は笑顔で王監督(左)とハイタッチ
<ソフトバンク2-1西武>◇28日◇福岡ヤフードーム
ソフトバンク王貞治監督(65)の「気配り」が今季初のサヨナラ勝利を呼び、開幕3連勝をもたらした。1-1の同点で迎えた9回1死一、三塁の場面で、柴原を代打に起用。柴原がサヨナラ安打を放ち、王監督の期待に応えた。昨年は開幕戦で本塁打も放ったレギュラーだが、今季はベンチスタート。王監督は練習中から柴原に声を掛け、緊張の糸を保った。WBC日本代表監督としてチームを留守にしていたハンディをものともせず、選手のコンディションを把握した采配が見事に的中した。
勝負どころの代打は、この男に決めていた。同点で迎えた9回1死一、三塁。王監督は柴原にゲキを飛ばした。「サインなんて何もない。どんどん打って行け!」。これが今季2打席目。「とにかく思い切って振って行こう、と。監督によく言葉を掛けてもらえるし、何とか期待に応えたかった」と柴原。カウント2-2からの6球目、内角低めのスライダーをとらえた打球は、右翼へ飛んだ。王監督が両手を突き上げてベンチを出た。それがサヨナラ勝利の合図だった。
昨年は9番右翼で開幕スタメンを果たした柴原だが、今季はベンチスタートだった。試合前、王監督は柴原についてこう評した。「決して調子が悪くて外れているわけじゃない」。プロ10年目、年俸1億2000万円の選手。レギュラー争いに敗れた結果とはいえ、王監督は気遣った。柴原は言った。「監督が練習中からいつも褒めてくれて…。『お前は調子がいいんだ』『我慢しておけ』と。そうやって言葉を掛けてもらえるのがうれしいし、もっと褒めてほしい。だから結果を出して、期待に応えたかった」。
WBCで日本代表の指揮を執ったため、キャンプ途中の2月19日から王監督はチームを離れた。世界の頂点を極めたが、チームへの合流は23日まで延びた。姿はなくても、心はチームにいた。米国で「JAPAN」のユニホームに身を包みながら、日本のコーチ陣から送られてくるメールに目を通し、チームの状態、選手の調子は把握していた。「こっち(ソフトバンク)の方が勝手知ったるだから」。WBCの準決勝、韓国戦でもスタメンを外した福留の代打策が的中した。王監督ならではの「世界一」の采配が、シーズンでも決まった。
柴原のサヨナラ安打の陰に、今季のソフトバンクを象徴する攻撃があった。9回無死一、二塁からズレータの右飛でカブレラが三塁へタッチアップを決め、三塁を陥れた。「右翼のG・G・佐藤は結構、肩が強い。ただ、今年はチームのみんなに、もう1つ前を奪う姿勢があるからいけた」と島田外野守備走塁コーチ。王監督は「カブレラがよく三塁にいった。とにかくガンガン行くことは基本的に頭から外している」と高く評価した。王監督が掲げるち密な野球は、外国人選手にまで浸透していた。
1、2戦から「ストロング」を取り除いた、スピーディー野球で3連勝。「今年は接戦が多くなりますよ。今年をほうふつさせる展開じゃないかな」と王監督は今季を象徴する勝利と位置付けた。大胆な攻撃もすれば、1点勝負の接戦も演じる。ソフトバンクの野球から目が離せない。【中村泰三】
◆柴原のサヨナラ打メモ サヨナラ打は3度目で、代打でのサヨナラ打は初。過去は、00年5月27日のオリックス5回戦(福岡ドーム)、同点で迎えた9回に左前打。02年6月11日の日本ハム13回戦(同)では、0-1で迎えた9回に一気に逆転サヨナラとなる右前2点適時打を放っている。
[2006年3月29日8時1分 紙面から]
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