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ソフトB松中1号!アーチ攻勢開幕連勝!

2回裏ソフトバンク2死一塁、松中は右越えに第1号の2点本塁打を放つ
2回裏ソフトバンク2死一塁、松中は右越えに第1号の2点本塁打を放つ

<ソフトバンク9-7ロッテ>◇26日◇福岡ヤフードーム

 王JAPANの4番が、ソフトバンクの4番打者へ豪快に転身した。ソフトバンク松中信彦内野手(32)が「WBC効果」の今季初アーチを放った。開幕2戦目のロッテ戦で、2回の第2打席に技ありの1号2ランを右翼席にたたき込んだ。昨年は左肩の故障もあり初本塁打は開幕から15試合、54打席目。今季はWBCに出場し、早くも全開モードだ。ズレータ、大村にも1発が飛び出し「ストロング野球」でロッテに2連勝。王ソフトバンクが最高のスタートを切った。

 “世界一”の4番打者にしかできない巧みな技だ。今季初アーチは松中が持つ高度な技術から生まれた。同点で迎えた2回。2点を勝ち越し、なお2死一塁。腕をたたみ、バットを体に巻き付けるように、141キロの内角直球を捕らえた。右翼ポール際に飛んだ打球は、そのままスタンドに飛び込んだ。「普通の打者ならファウルになる。松中ならではのホームラン」。王監督もその技術の高さにうなった。

 試合後、グラウンドで特打、トレーニングに約1時間、汗を流す姿があった。「あういう打ち方をすると雑になる。忘れた方がいい。WBCでは打ち込みもできなかったので」。松中にとってはここ一番でしか封印を解かない、禁じ手の1発。それをあえて解いた。

 WBCでは全8試合で4番を担った。04年のパ・リーグ3冠王。米国でもその打撃は注目された。松中のバットから安打は生まれるが、アーチは出ない。公式会見では「本来の調子が出ていないのでは?」という質問も浴びせられたが、13安打はイチローの12本を上回るWBCの最多安打。11得点も最多だった。「全日本では結果で評価される。勝つためには長打はいらない」と勝利至上主義に徹した結果だった。ただ、ソフトバンクの4番はスタンスが異なった。 松中 どちらも勝つことが大事だけど、全日本は勝つことに価値がある。ソフトバンクでは136試合あるし、勝つ中でもファンにインパクトを与えないといけない。ファンの人が僕に期待するのは本塁打。本塁打を打たなきゃいけないと思う。

 WBCに出場した効果が出た。昨年は左肩の故障で1号本塁打は15試合、54打席目と遅かった。WBCへの出場に関しても「僕はスロースターターですから」と、自主トレから調整を早めて臨んだ。バットも米国などのムービングボール対策もあり、通常より10グラムほど軽くし、開幕から重さを戻した。WBCの激戦を勝ち抜き、100%の状態で開幕を迎えた。「正直言って、例年より緊張感を感じることなく、打席に入れた」と世界の舞台の重圧が、松中にいい意味での余裕を与えた。

 昨年のチームから城島、バティスタが抜け、単純計算で51本の本塁打が減る。長打不足を懸念されたが、それがどうだ。大村、ズレータにも本塁打が飛び出し、開幕2試合で4発。スモール・ベースボールを強調する王監督だが、持ち前の1発攻勢は健在だ。「松中もWBCのときとは気分も違うだろう。今日は華々しかったね。昨日から3、4、5番に出たから」と王監督の表情も緩んだ。もちろん、この日も8回1死一塁から大村がバントを決め、本間の適時打で1点を奪う、つなぎの野球を展開。「ストロング&スピーディー野球」は、見ていて面白い。【中村泰三】

 ◆昨年の松中1号 開幕から15試合目(出場13試合目)、54打席目となる4月11日の楽天戦(フルキャスト宮城)の4回、先頭打者で藤崎から中堅へ豪快に運び去った。松中がレギュラーに定着した99年以降、シーズン1号が最も遅かったのは出場試合数で4試合目(99、01年)、打席数では14打席目(04年)だっただけに、昨年は苦しみ抜いた1号だった。開幕直前には「秘密特訓をやりたい」と、異例の報道陣シャットアウトの打撃練習も行ったほどだった。

[2006年3月27日7時45分 紙面から]

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