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ソフトB世界一野球でロッテを粉砕

- お立ち台に上がった(右から)斉藤、宮地、大村は「倍返しボール」を手にする
<ソフトバンク7-2ロッテ>◇25日◇ヤフードーム
ソフトバンク王貞治監督(65)が「世界一野球」で、5年連続となる開幕戦白星をつかんだ。昨年の日本一チーム、ロッテを相手に、小技あり、集中打あり、1発ありの多彩な攻撃で7点を奪って快勝。王JAPANが国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で展開し、世界王者に輝いた「スピーディー&ストロング野球」そのものだった。王監督が今季、目指す野球が開幕戦から実現。3年ぶりのリーグ制覇、日本一奪還へ、ソフトバンクが最高のスタートを切った。
今年も一塁側ベンチでハイタッチを交わし、選手を出迎えた。5年連続の開幕戦勝利。「初っぱなは、何とか分の1とか言うけど、勝つと負けるでは全然、違う」。その余韻以上に王監督は痛快だった。選手サロンでの試合後の会見。ニヤリと笑った。「スモールベースボールだから」。福岡ヤフードームでソフトバンクが展開した野球は、世界一の王JAPANが見せた「スピーディー&ストロング野球」そのものだった。
つないだ。先制した2回。無死から松中、ズレータ、宮地の3連打で1点を先取した。打席にはルーキーの7番松田。記念すべきプロ初打席。王監督のサインは初球からバントだ。「やっぱり今年はああいうケースでどんどん形にしていかないと」。松田が決めた。続く鳥越は三振。2死後、9番的場が四球を選び、先頭の大村につなげた。大村、本間の連続適時打が飛び出し、4点を先制した。
追加点は「ストロング」で奪った。5回2死からカブレラの左越えソロ本塁打。中押しの1発にも、打線は大振りにならない。7回、無死一塁から的場が犠打で送った。続く大村はバント安打を狙った。成功すれば内野安打、失敗でも走者を進める。くしくも相手のロッテ西岡であり、チームメートの川崎らがWBCで用いた戦法。結果的に犠打で走者を三塁へ進め、本間の左前適時打につながった。
王JAPANで掲げた野球は、ソフトバンクでも変わらない。王監督は「もう終わったこと。このメンバーで世界一になったわけじゃない」とWBCを思い出に変えた。ただ、WBCで展開した野球は、昨オフからチームに唱え続けた方針でもある。選手は理解していた。6番の宮地は言う。「走者がいればかえす。いなければ塁に出て、次につなぐ。06年型ホークスの形がある。自分の仕事は分かってます」。
この開幕戦が王監督の今季初采配だった。「12年間で一番、慌ただしい開幕。大変だよ」。22日に帰国し、休む間もなく23日の全体練習からチームに合流。この日も時差ぼけで「(午前)6時まで寝るつもりだったのに」午前4時30分に目覚めた。「疲れ? 立っていればいいんだから」と冗談交じりに話す。ただ、WBCから王監督のそばにいる松中は「正直、見たところ疲れはあると思う」と明かした。「早く元気を取り戻してもらうには勝つことが一番」と常に立ち続ける王監督の後ろ姿が選手たちの原動力にもなった。
試合前の開幕戦セレモニー。WBCの優勝トロフィーを前に「野球って素晴らしいとあらためて感じております。皆さまと分かち合った感動をペナントレースでも共有できるよう、頑張ります」とあいさつした。「当分はこういう野球でやって行くしかない。それで勢いを付けたい」。3年ぶりのペナント奪還へ、進む道は見えた。【中村泰三】
[2006年3月26日8時57分 紙面から]
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