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4回裏ソフトバンク2死。多村は中越えにオープン戦第1号ソロ本塁打を放つ
4回裏ソフトバンク2死。多村は中越えにオープン戦第1号ソロ本塁打を放つ

ソフトB多村がドーム攻略の初アーチ

<オープン戦:ソフトバンク8-3阪神>◇6日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク多村仁外野手(29)が、福岡ヤフードームを“攻略”した。3番左翼で出場し、オープン戦16打席目で移籍初本塁打を放った。4回2死から阪神能見の142キロの直球を右中間最深部に運んだ。2日の楽天戦では同様の打球で、右中間フェンス直撃の三塁打どまり。両翼100メートル、高さ5・84メートルのフェンスと横浜時代より器の大きい本拠地でも、持ち前のリストの強い打撃が通用することを実証した。

 両翼100メートル、フェンス高5・84メートルの福岡ヤフードームを、多村が攻略した。4回2死。右中間最深部に伸びた打球は、その器の大きさをものともしなかった。「松中さん、小久保さんに1本出て、次は自分が、という意識がなかったと言えばうそ」。8戦目、16打席目に飛び出した移籍初アーチは、多村のパワーを実証した。

 2日の楽天戦では、右中間に伸びた打球がフェンスに阻まれた。約50センチ、足りなかった。外角高め、144キロの直球を最後に右手でグッと押し込む、打撃だった。「右手だけで打ったようなもの。本当はもっと脇を締めて打たなければいけなかった。でも、あの打ち方であそこまで飛ぶのなら、納得する打ち方ができれば入るということ」。その言葉通り、この日は阪神能見の142キロの直球を、前でしっかりととらえた。「ここでスタンドに入れる難しさというものは分かってますから感激もひとしおです」。今回ばかりは多村も表情を緩めた。

 TMKトリオで放った1発でもあった。試合前の打撃練習で、4番松中にアドバイスを求めていた。「タイミングの取り方、右手、左手どっちを意識するのかとかですね。右手ばかり強くすると、こねる打撃になるから、やっぱり左手でリードしなければいけない、と」。キャンプ終盤から「打撃はバラバラだった」と明かす。2月24日のオープン戦初戦から全試合出場しながらも、日々、懸命に修復に取り組んでいた。キャンプでは5番小久保のグリップの位置も参考にした。「秋山コーチをはじめ、裏方の方々まで、みんながアドバイスをくれますから」。多村は周囲の協力に感謝した。

 4日の巨人戦後には王監督と食事に出掛けた。横浜時代から尊敬の念を抱いていた人物。「いるだけでオーラがある。あいさつしてもらえるだけでもうれしいのに…。すぐに結果が出て良かった」。緊張の中でも、王監督から掛けられた言葉は忘れなかった。「真っすぐに振り遅れないようにしっかり打つこと」「練習は遠慮せずやりたいようにやればいい。チームの1人なんだから」。そんな気遣いが原動力にもなった。

 王監督の表情も明るい。4日のMKアベック弾に続き、多村にも待望の1号が飛び出しただけに「良かったね、多村に出て。3、4、5番は3人で考えているが、めどは立ってきた」と、07年型クリーンアップに手応えをつかんだ。

 移籍決定後、多村は王監督と「全試合出場」を2人で約束した。その第1歩として、横浜時代にもなかった、オープン戦全試合出場に挑戦している。「ここまでけがなく来てますし、明日(7日)は横浜戦。元気な姿を見せられたら、それだけでいい」。横浜の選手たちが知らない多村を7日、お披露目する。【中村泰三】


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