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ソフトB王監督が復帰戦飾った

ソフトバンク対西武 9回裏、竹を手にゲキを飛ばす王監督
ソフトバンク対西武 9回裏、竹を手にゲキを飛ばす王監督

<ソフトバンク2―1西武>◇24日◇宮崎アイビースタジアム

 ソフトバンク王貞治監督(66)が24日、オープン戦開幕の西武戦で復帰戦を劇的なサヨナラで飾った。胃がん手術で長期離脱を発表した昨年7月5日の西武戦以来、234日ぶりに試合で指揮を執った。ベンチでは立ちっぱなしの気迫の采配で、1点を追う9回1死一、三塁から江川の左前適時打で同点とし、さらに1死満塁から斉藤秀の右前適時打でサヨナラ勝ちした。V奪回を目指すシーズンで快気祝いの白星スタートとなった。

 王監督は瞬間、左手を突き上げ、その手をガッツポーズに変えた。右手ではコーチ陣と握手した。自ら拍手をしながら、ゆっくりと一塁側ベンチを出た。9回裏、同点とし、なお1死満塁のチャンス。斉藤秀の右越えタイムリーでサヨナラ勝ちした。王監督は「ムードよくするためには、いい勝ち方だったね」とニコリ笑った。

 胃がんの全摘出手術を経て、約2カ月の入院生活を送った。懸命のリハビリも乗り越え、そしてついにグラウンドに立った。昨年7月2日のロッテ戦以来、237日ぶりに勝利の瞬間を味わった。対外試合でさい配を振るうのは7月5日以来の西武戦だった。「采配といっても、サインも何も出してないから。明日(巨人練習試合)までノーサイン」と語ったが、喜びはひと潮だった。

 ベンチ内には低反発素材の専用背もたれが持ち込まれ、そこに座布団を敷いてクッション性を高め復帰戦に臨んだ。相手の新戦力データを見るときなどに時折腰を下ろしたが、試合時間の多くはベンチで立ちっぱなしだった。9回の攻撃では気合を入れるかのように青竹を握り締め、ゲキを飛ばした。

 その気迫が乗り移ったかのように、8回まで三塁さえ踏めなかった打線が目覚めた。9回に同点打を放った江川は「あそこは、何が何でも走者をかえすつもりでした」。王監督の快気祝いの白星へ、ナイン全員が必死の形相だった。体調とともに闘志も戻った。8回1死から本多がハーフスイングで三振と判定された際には声を荒らげながら、ベンチを飛び出しかけた。

 王監督は「あれはちょっと。審判も勉強だから、あれ以上は言わなかったけど。勝負の世界にいるんだから仕方ない」。その姿勢は、病気前と何ら変わりない勝負師の顔だった。23日にキャンプを完走し、自身の体力は「70~80点」と採点した。次に目指すのは、オープン戦全18試合の指揮だ。その開幕戦でサヨナラ勝利という最高のスタート。「ここまでのところは順調だね。あとは試合を続けていけば上がっていくんじゃないかな」。だれよりも待ち望んだ球春到来。「世界の王」が完全復活への階段を順調にあがっている。 【中村泰三】

[2007年2月25日9時34分 紙面から]

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