ソフトB高谷紅白戦で開幕アピール弾

- 8回表紅無死、高谷は紅白戦1号となるソロ本塁打を右越えに放つ
<ソフトバンク紅白戦:紅組3-1白組>◇21日◇アイビースタジアム◇特別ルール
ソフトバンクのルーキー高谷裕亮捕手(25=白鴎大)が開幕スタメンを強烈にアピールする“プロ1号”を放った。21日、宮崎春季キャンプ紅白戦に紅組9番で先発。8回に4番手大西から右翼芝生席へソロ本塁打を放った。的場ら3人のライバル捕手に先駆ける捕手1号弾。守備でもエース斉藤和と甲藤の球を2イニングずつ受け、無失点。横一線の正捕手争いで貴重なリードを奪った。球団史上初となる新人捕手の開幕スタメンへの期待も出てきた。
豪快にバットを放り投げた。高々と舞い上がった打球が放物線を描き、右翼芝生席で弾んだ。強肩と打撃力を備えて「ポスト城島」こと高谷がついに“プロ第1号”をぶっ放した。紅白戦4戦目。先頭打者として立った8回の第3打席だ。高卒2年目の大西が投じた128キロの甘い直球を完ぺきにつかまえた。「真ん中の真っすぐでした。(本塁打の)感触はありました」。腰の回転を利かせた力強いスイングから、きれいなアーチを生み出した。
紅組の9番捕手で先発。第1打席は和田に空振り三振、第2打席も藤岡に遊ゴロに仕留められた。紅白戦は7回で終了予定だったが、急きょ「延長戦」に突入。指名打者として迎えた最終打席で結果を出す、勝負強さを発揮した。「その前にもチャンスはあった。和田さんも藤岡さんもいいピッチャーだけど、甘い球を逃してはいけませんね」。高谷自身は納得しなかったが、正捕手争いの点では貴重な“先制弾”となった。
現在A組(1軍)4捕手で開幕スタメンを争っている。的場と山崎、領健、そして新人の高谷だ。今キャンプで王監督は「飛び抜けた選手がいないし、まだ横一線」と強調し、捕手だけは前年の数字を反映しない色合いが濃い。実績では「先輩」たちにかなわない高谷にもチャンスがある。大石バッテリーコーチは「ファームの投手から打ったものだし、風の影響もあった。まだまだ」と辛口採点ながら、ライバルたちに先駆けた“捕手1号”は大きなアドバンテージになる。
記念すべき本塁打を生んだバットのルーツは城島(マリナーズ)にあった。入団決定後、用具メーカーのミズノに発注したのは城島がソフトバンク在籍時に使用した「H2-H」を改良した「H2-M」と呼ばれるタイプだ。グリップから上の打球面は城島仕様ながら、グリップ部分はタイカッブ型に変更。ヘッドの利きを追求したもので、大学時代と形状は異なる。16本塁打、82打点と関甲新大学リーグの通算記録を塗り替えたパンチ力をプロ用にグレードアップさせた。城島が追い求めた形に自らの理想を加えた「高谷モデル」で結果を出し始めた。
守備では先発のエース斉藤和、2番手甲藤の女房役を2イニングずつ務め、4回2安打無失点と良妻ぶりも発揮できた。「今日はカズミさんと組むってこともあって、守りをまず考えていた。配球については首を振られなかった」とこちらは自分で及第点を出した。
4人による正捕手レースは残り1カ月で本格化する。「的場と山崎はある程度、分かっている。高谷は投手との兼ね合いがあるし、オープン戦の最初の方は重点的に使うと思う」。すでに王監督はオープン戦序盤を“高谷強化試合”にする構想を打ち出しており、高谷にとっては常に先手を取れるチャンスがある。新人捕手が開幕スタメンマスクをかぶることになれば球団史上初のこと。偉業に向けて、今は先行策に徹するだけだ。【押谷謙爾】
ソフトバンク的場(紅白戦4試合8打数3安打)「他の人が打っているんで、(正捕手争いの)意識はある。今年は三振を減らし、四球を取れるよう、打席で意識している。オープン戦からが本当の勝負です」
ソフトバンク山崎(紅白戦4試合10打数1安打1打点)「結果は出なかったけど、バッティングの調子自体は悪くない。オープン戦からが正念場」
ソフトバンク領健(紅白戦4試合9打数1安打)「今日は最初の打席で打てたのはいいけど、後は力んだ。和田さんとは打たれ出したらチェンジアップを投げようと話して、ここで放ればいいんだというのが把握できた」
[2007年2月22日8時56分 紙面から]
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