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ソフトB大隣は開幕アウト

大隣はタクシーを投手陣のロッカー小屋に横付けして引き揚げる
大隣はタクシーを投手陣のロッカー小屋に横付けして引き揚げる

 大隣、開幕アウト! ソフトバンクの希望枠ルーキー、大隣憲司投手(22=近大)が腰の痛みを再発し、21日に緊急帰福することになった。宮崎春季キャンプ最終クール初日となった20日、ウオーミングアップ終了後に腰の痛みを訴え、練習を早退。21日に福岡市内の病院で精密検査を受けることになった。ここまで実戦登板は1度もなく、今後の調整遅れは必至の状況。目標にしていた開幕先発ローテーション入りは、絶望的となった。

 1台のタクシーが、B組(2軍)投手陣の控室となるプレハブ小屋横に到着する。その約10秒後、険しい表情を浮かべた大隣が小屋から姿を現し、そのまま車へと乗り込んだ。約150メートル離れたタクシー乗り場まで、歩いていくことさえつらい状態だった。「腰の痛み? まあ。あとはトレーナーの方に聞いてください」。そう言い残すのが精いっぱいで、早々と球場を後にした。

 早期復帰を誓った直後のアクシデント発生だった。この日、恒例の朝の声だしで「1日も早くケガを治し、ソフトバンクで活躍して、チームの日本一、王監督の胴上げに貢献できるように頑張ります」と宣言。ケガで出遅れた分を取り戻す決意を口にしたが、それから1時間もたたないうちに再び腰痛を発症。前クール同様、別メニュー調整へと逆戻りした。周囲の選手には「今度の痛みはマジ、ヤバイ」「この痛みはかなり重いわ」とこぼすなど、珍しく弱音をこぼしていた。その姿が、症状の重さを物語っていた。

 「腰に違和感があるというので、これ以上悪くなってもいけないと判断し、練習をストップさせました。腰からお尻にかけてしびれがあるみたいです」。症状を確認した白髪チーフトレーナーも、言葉を慎重に選びながら大隣の症状を説明した。21日に緊急帰福させ、福岡市内の病院で精密検査を受けることも決定。16日にも1度、宮崎市内の病院でエックス線検査を受けるなど細心の注意を払ってきたが、今後の調整について白髪チーフトレーナーは「腰だから。治療に専念させます」と説明した。

 ゴールデンルーキーの離脱に、首脳陣も治療を最優先させる方針だ。報告を受けた王監督は「しっかり検査して、その後に回復に必要な方法を取ること。1日も早く回復してほしいが、焦っても仕方ない。こういうことが起きた以上、無理する必要はない」と親心をのぞかせた。杉本投手コーチは「期待はあっても、実績があるわけじゃない。試合で投げるまでに2カ月はかかるだろう。今は戦力として考えるより、じっくり治療に専念した方がいい」とすでに、開幕先発ローテーションの構想外であることを明言した。

 アマチュア時代から常に注目を受け、希望枠で入団。プロ入りしてさらに注目度が増し、自身のペースというものを見失っていた部分もあるのだろう。「今は(痛みで)歩くのもつらいし、寝てるときも少し痛い。とにかくまずはしっかり治します。治さないと何も始まりませんから」。大隣のチャームポイントでもあった人を寄せ付けるようなスマイルは、完全に消滅した。とにかく今は、治療に全力投球するしかない。【石田泰隆】

大隣の主なキャンプ経過

 ◆1日 B組でジョギング、ストレッチ、軽めのウエートトレでキャンプスタート。

 ◆2日 60メートル遠投開始。

 ◆4日 今キャンプ初ブルペンで捕手を立たせて28球。カメラ撮影はブルペン外からという“VIP待遇”。

 ◆6日 王監督ら首脳陣が見守る中、捕手を座らせ30球の「御前投球」を披露。

 ◆7日 2日連続でブルペン入りし31球。スライダー、カーブ、フォークボールも投げた。

 ◆8日 ベースランニングを除く通常メニューに参加。3日連続ブルペンで約50球を投げた。

 ◆10日 腰に張りを訴え、今キャンプ2度目の別メニュー調整。

 ◆11日 キャッチボール中に再び腰に違和感。別メニュー調整。

 ◆20日 B組で別メニュー調整を続けてきたが、この日また腰痛を再発。宿舎へ戻る。

過去のルーキーの主なアクシデント

 ◆井口 97年3月10日、西武とのオープン戦(福岡ドーム)で右足首ねんざ。全治3週間と診断されたが、5月3日の近鉄戦(福岡ドーム)でプロ初出場で満塁本塁打を放つ鮮烈な公式戦デビュー復帰した。

 ◆松中 同年3月9日、横浜とのオープン戦(福岡ドーム)の試合前練習で、右肩を負傷。「三角筋内血腫」と診断され2軍落ち。公式戦デビューは同年5月31日の西武戦(福岡ドーム)。

 ◆山村 01年2月、高知春季キャンプ中に背筋痛で2軍落ち。その後1軍での登板はなし。

 ◆和田 03年2月、高知キャンプのブルペン投球で左肩甲骨付近に痛みを訴え、練習を早退。3月9日、広島戦(福岡ドーム)でオープン戦初登板し、2回1安打無失点で復帰。開幕ローテーション入りを決めた。

[2007年2月21日9時36分 紙面から]

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