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ソフトB大隣が御前投球で大物発揮

大隣は王貞治監督(右)の見守る中、30球を投げ込み調整した
大隣は王貞治監督(右)の見守る中、30球を投げ込み調整した

 ソフトバンクの希望枠ルーキー、大隣憲司投手(22=近大)が6日、盛大な「御前投球」を行った。宮崎春季キャンプ第2クール初日に2度目のブルペン入り。右足甲ねんざで遅れていたが、入団以来、初めて捕手を座らせ、30球を投げた。B組(2軍)ながら、初視察の王貞治監督(66)をはじめとした首脳陣およびフロント、パ・リーグ小池会長ら“豪華ゲスト”を前に順調な回復ぶりをアピール。大隣の実力、人気を評価した小池会長は松坂に代わる「パの星」として期待をかけた。

 報道各社のカメラが勢ぞろいした舞台に、背番号28の主役が姿を現した。B組(2軍)が使用するサブブルペン。立ち投げで13球を投げた大隣は3年目の中西を座らせ、スイッチを入れた。柔らかく両腕を上げるワインドアップから左腕をしならせる。本人は「六、七分(程度の力)ですかね」というが、伸びのある直球で甲高いミット音を響かせた。セットポジションに変えた最後の10球はさらに球威がアップ。スライダーも2球披露した。

 入団以来2度目のブルペン入り。立ち投げのみの前回(4日)は投球に集中させるため、近距離からの報道陣の撮影はNGだったが、それも解禁。「まだ(フォームの)確認ですよ」というが、カメラからの「凝視」に加え、そうそうたる顔触れが並んだ「御前投球」にも平然としていた。大型左腕の登場に備え、王監督は大隣より先に“ブルペン入り”して待機。杉本、高山両投手コーチに加え、角田球団代表、小川スカウト担当部長、永山チーフスカウトらが集結。さらに視察に訪れていたパ・リーグ小池会長と村田事務局長も、うわさのルーキーを見ようと姿を見せた。A組(1軍)ブルペン以上の熱気だった。並の新人ならガチガチに緊張してしまいそうな舞台設定に、王監督が投球中に「無理しなくていいんだぞ。途中でやめてもいいんだぞ」と気遣って声をかけても「ハイ、ハイ」と笑顔を返し、黙々と30球を投げ込んだ。

 王監督にとって“三度目の正直”だった。先月、西戸崎合宿所(福岡市東区)での新人合同自主トレを視察した際は、直前に右足甲をねんざして登板回避。4日の初投げもタイミングが合わず、見逃していた。「ナマ大隣」を見守った指揮官はさっそく実力の片りんを感じ取った。「球筋がいいよね。球威がある。ゆったりとした杉内のような感じからビュッと来て、球威があり、切れもいい。いいものはいいんだ。第4クールからはある程度、できるようになるでしょ」と、故障からの回復ぶりにも目を細めた。

 パ・リーグ小池会長は、さらに熱っぽく話した。「ルーキーの中でも注目される中の1人。キャンプでなじんで期待通りの実績を上げてほしい。楽天の田中君は高卒だが、彼は近大(大卒)だから。皆さんが注目する選手ですから。若いスターが次々に出るのはプロ野球のためになる」。松坂がレッドソックスに移籍するなど日本の看板選手がメジャーへ移籍する潮流に対し、危機感は大きい。実力、人気がそろい、どっしりとした体から「江夏2世」とも呼ばれる大隣を、パだけでなく球界を盛り上げる次世代の「スター候補」に指名した。

 大隣はブルペン入り前の補強運動でサイドステップを取り入れたメニューで足腰を強化。不安だった横の動きにメドが立ったからこそ、調整段階を1つ上げ、捕手を座らせた。「徐々に力を入れていきますよ。セット(ポジション)に替えてからの方がよくなった。明日もブルペン? そうですね」。満足そうな笑みを浮かべ、7日の「連投」にも意欲を示した。上昇カーブとともに大型左腕の存在が大きくなりそうだ。【押谷謙爾】

 ソフトバンク角田球団代表(大隣の投球に)「まだ完全な投球ではないけど、期待通りの大器の片りんを感じた。ただ、焦らずにじっくり調整してほしい」

[2007年2月7日9時24分 紙面から]

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