ソフトB大隣が初ブルペンで28球

- 大勢の声援を受けながら球場入りする大隣(撮影・藤尾明華)
ソフトバンクの希望枠ルーキー、大隣憲司投手(22=近大)が今キャンプ初投げを“隠密”に行った。宮崎春季キャンプ第1クール最終日の4日、右足甲ねんざのため、B組(2軍)で別メニュー調整を続ける大物ルーキーが、予定になかったブルペン投球を敢行。捕手を立たせたまま、変化球を交え背番号と同じ28球を投げた。注目の初投げにカメラマンも待機したが、投球に集中させるため、撮影はNG。VIP待遇のおまけ付きで、A組(1軍)昇格へ向けたスタートを切った。
背番号28を背負った大隣が、だれもいないサブブルペンのマウンドにゆっくりと歩を進める。ロージンに手を伸ばし、痛めた足とは逆の左足で足場をならす。時折高く抜ける球も見られたが、ゆったりとしたフォームから回転のきれいな球で、捕手を務めた中西のミット音が28回響いた。久々に立ったマウンドに、大隣は「(痛めた)右足もほとんど痛みがないので、傾斜のあるところで投げてみたかった。6割くらいの力で投げたけど、足は問題ないですね」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。
大隣の初投げに首脳陣も格別の配慮を見せた。カメラのシャッター音が投球に支障を来すと判断。待ち構えていたカメラマンに撮影NGを出すなど、VIP扱いで投球に集中させた。見守った斉藤育成担当は「あいつは少し集中力のないところがあってね。ケガ後、初めての投球だから、投げることに集中させたかった」と説明した。
予定外の投球練習に、報告を受けた王監督も驚きの表情を浮かべた。「え? 投げたの? とにかくこちらは焦らすつもりはないからね」。首脳陣の構想にも、実戦練習の始まる第3クール(10日から)をメドに、A組昇格というプランが立てられている。6日から始まる第2クール中の仕上がり次第では、方向性が変わる可能性も否めないが、王監督は「心配することはない。(昇格は)第3クールと考えている。まあ、暖かくなってくるまで我慢、我慢」と話した。
練習中は右足首をテーピングで固め、練習後は宿舎で超音波治療とアイシングを継続。痛みもほとんど消えたという。「焦りはないけど、早く上に行きたいという思いは当然、あります」。第2クールは3日間ともブルペンに入る予定で、遅れを一気に取り戻す。【石田泰隆】
大隣故障と回復経過
◆1月26日 この日の午後に西戸崎合宿所室内で右足ひねる。
◆同27日 福岡市内の病院で検査を受け「右足第4中足骨のねんざ」で全治1週間と診断。骨には異常なかった。
◆同28日 王監督が春季キャンプA組(1軍)スタート構想を一時白紙に。
◆同30日 宮崎春季キャンプB組(2軍)が決まった。しかしA組投手枠に「大隣枠」を残した。
◆2月1日 負傷後、6日ぶりランニング。約400メートルを3周、キャッチボール、体幹強化とメニュー消化。
◆同2日 約60メートル遠投。400メートル×4周のジョギングも続け「良くなっている実感はある」。超音波治療とアイシングで右足第4中足骨付近の痛みほぼ消ええう。王監督は「第3クールからかな」と1軍昇格の見通し明かした。
◆同3日 練習の合間の移動中に王監督とバッタリ。「焦るなよ。(故障個所は)足だからしっかり治せよ」と声を掛けられ、直立不動で耳を傾けた。
[2007年2月5日9時34分 紙面から]
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