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稲尾氏「斉藤和一番乗りにエースの自覚」

 ソフトバンク王監督がユニホーム姿で約半年ぶりに現場復帰を果たしたソフトバンクの宮崎キャンプ。プロ野球選手にとって「元日」ともいえる日、私はホークスのブルペンに注目した。サブグラウンドで投内連係プレーを終えた鷹投たちの“初投げ”を見たくて、ガランとしたブルペンで待ち構えていたら、いの一番に入ってきたのは斉藤和だった。

 意識的に一番乗りしたのかどうかは分からないが、7つあるプレートのど真ん中に入って投球練習を開始した。「エース」としての自覚が今年はさらに大きくなったな、と感じた。捕手も座らせ、フォームを確かめるように投げていたが、中央に仁王立ちし、投球を続ける斉藤和に今季のさらなる成長が期待できた。

 昨年のプレーオフ。まだホークスファンには強烈に脳裏に焼きついていると思う。札幌ドームで日本ハムにサヨナラ負けを喫した斉藤和は、マウンドに崩れ落ち号泣した。屈辱は成長の糧となる。昨年は意識的に「エース」としての振る舞いを尽くした1年だったように思う。だが、この日のブルペンでの斉藤和の姿を見ていると、自然と大黒柱としての風格がにじみ出ていた。

 V奪回が至上命令の今季、斉藤和にはさらなる飛躍を期待したい。真のエースとなるためにはチームの「切り札」でなければならない。年間を通して投手陣の中央にどっかと座り続けなければならない。その第1歩は開幕から万全の調整を期すこと。斉藤和は重々承知しているはずだ。(日刊スポーツ評論家)

[2007年2月2日10時9分 紙面から]

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