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2年目シリーズ酷使なく2勝

西鉄黄金バッテリーと言われた稲尾和久投手(左)と和田博美捕手
西鉄黄金バッテリーと言われた稲尾和久投手(左)と和田博美捕手
◇登板2試合だけ

 西鉄の57年シーズンは南海に7ゲーム差をつけてリーグ連覇を果たした。日本シリーズは前年に続いて再び巨人と激突した。

 「巨人は川上さんや、別所さんらベテランの力の衰えもあった。逆に西鉄は57年が絶頂期にあったと言っていい。チーム内に自信がみなぎっていた。脂が乗っているというのは選手たち自身が一番感じるもの。おれも含めて精神的に優位に立って臨んだ日本シリーズだった」。

 1年目からリーグ優勝、そして日本シリーズの大舞台で3勝を挙げ、チーム初となる日本一の原動力となった。稲尾は2年目の大舞台でもエースの風格を見せつけた。ペナントレースでは当時のパ・リーグ記録となるシーズン35勝を稼ぎ出している。ちょうど1年前、初めて経験した日本シリーズ初登板では足が震えたが、2年目はもうそんなことはなかった。「かかってこい」といわんばかりの武者震いでマウンドに臨んだ。

◇巨人に勝たせず

 第1戦は10月26日、本拠地平和台だった。当然、稲尾が開幕投手だった。巨人打線に2点を許したものの、あっさりと完投で西鉄が先手を取った。結論から言うと、このシリーズは西鉄の完勝で終わった。戦績は西鉄の○○○△○。第4戦は敵地後楽園で延長10回の引き分け。11月1日の第5戦を6-5で飾り、巨人に1つも黒星を喫することなく日本シリーズ連覇を果たした。50年の日本シリーズ開始から出場チームが1勝もせずに幕が下りるのは初めての出来事であった。巨人にとっては王者奪回の目論見(もくろみ)もこっぱ微塵(みじん)に打ち砕かれてしまった格好となった。

◇黄金バッテリー

 「1つの引き分けをはさんで4連勝。完勝の日本シリーズだったんだけど、実は勝った4試合はすべて1点差だったんだよな。終わってみて分かったことだったけどね。でも、戦前から『おれたちが勝つ!』という意識があったし、とにかく力の差を見せ付けられたシリーズだった」。

 開幕戦で完投勝利を挙げた稲尾は後楽園に場所を移した第3戦にも先発、これまた完投勝利をマークし、巨人を徳俵まで追い詰めた。1年目(3勝)と合わせ、すでにこの勝利でシリーズ5勝目となった。2試合に登板して2戦完投勝ち。「鉄腕」を酷使することなく同シリーズを制した。後楽園のヤジも何となく心地よかった。56年に続いて稲尾はシリーズの最優秀投手賞を手にした。女房役である1歳年上の和田捕手も技能賞を獲得した。名実ともに西鉄「黄金バッテリー」の誕生でもあった。【佐竹英治】



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