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佐賀北分業リレーで頂点/連載…下

1回戦からすべて先発した佐賀北の馬場と引き継ぎ好投した2番手の久保
1回戦からすべて先発した佐賀北の馬場と引き継ぎ好投した2番手の久保

 佐賀北はタフな試合の連続を乗り越えて頂点に立った。7試合73イニングに及ぶ死闘を制したのは馬場将史(3年)と久保貴大(3年)の分業リレーがあったからだ。140キロ級の直球を投げるエースがいるわけではない。絶対的エースはいなくても「2本の矢」が甲子園で通用することを証明して見せた。

 中学時代から投手だった右のエース久保に加えて、百崎敏克監督(51)が外野手だった馬場を投手に転向させたのは1年の秋だった。理由は「左だったから。それだけです」(百崎監督)。勝つためには左右の安定した投手が必要だという考えからだ。制球難に苦しんだ馬場が横手に変えて安定したのは3年の夏の大会直前。3人目の投手が育たず「夏は久保と馬場でいこう」と百崎監督と吉冨寿泰部長(41)は2人のリレーを決めた。

 馬場―久保のリレーは地方大会3回戦から揺らぐことはなかった。初戦だけはエースの自覚を持たせるために久保が完投。それから11試合連続のリレーが続いた。「力で抑えるのは久保。馬場はいけるところまでいって久保へつなぐ。後は久保と心中です。だから先発久保、抑え馬場のパターンはないんです」と吉冨部長。疲れを残さないため、交互に先発完投はさせない。どんなに無失点でも途中交代が鉄則。高校生とっては非情なまでの分業制だ。

 「勝利の方程式」は甲子園でも威力を発揮した。直球120キロ台という変則左腕の馬場から本格派右腕の久保へのスイッチに相手打者は戸惑った。久保は「馬場の緩急のおかげで自分の直球が生きる」と好投の理由を挙げた。準決勝の長崎日大、決勝の広陵戦と、ともに連投で疲れの見えるエースから点を奪った。佐賀北はきっちり分業制を敷いたからこそ1試合多い7試合を投げきった。「久保だけじゃだめだし、僕だけでもだめ。2人だからここまでこられた」と馬場は言う。

 佐賀北が苦しい事情から編み出した分業制が最高の結果を生んだ。私立強豪校のような突出した選手はいなくても、選手たちが持てる力を最大限に生かせば全国に通用することを佐賀北は示してくれた。【特別取材班】

 ◆佐賀北の今夏の投手成績 久保は地方大会で21回2/3登板し自責点2。甲子園では37イニングを投げて自責点2。馬場は地方大会で21回1/3登板し自責点7。甲子園では36回で自責点は8。甲子園での防御率は久保が0・45、馬場は1・98。久保は地方大会から50回2/3無失点を続けた。

[2007年8月25日8時39分 紙面から]

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