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八重山商工・大嶺は浪人も視野/ドラフト

複雑な表情でロッテ1巡目指名会見を行う八重山商工の大嶺と伊志嶺監督(右)
複雑な表情でロッテ1巡目指名会見を行う八重山商工の大嶺と伊志嶺監督(右)

 高校生を対象としたプロ野球新人選択会議(ドラフト会議)が25日、都内のホテルで行われ、ロッテから1巡目指名された八重山商工の大嶺祐太投手(3年)が、プロ入りせず、1年間の浪人生活を視野に入れていることが明らかになった。相思相愛とみられたソフトバンクが1巡目指名したが、抽選の末、ロッテが入団交渉権を獲得。大嶺サイドは、ソフトバンク以外の球団が指名した場合を想定した家族会議で“浪人プラン”も考えていた。石垣島の150キロ右腕が、苦渋の決断を下すことになりそうだ。

 その瞬間、大嶺の表情が凍りついた。5時限目の授業終了後、添石邦男校長(59)が、大嶺のいるクラスに足を運び「指名があったよ。ロッテから」と一報を伝えた時だった。ロッテの入団交渉権獲得が決まってから約35分後。大嶺は目を赤らめた。報道陣から感想を求められ「うれしいです」と気丈に振舞ったが、本音とは程遠かった。相思相愛と見られたソフトバンクは1巡目指名したが、ロッテとの抽選の末、交渉権を得られなかった。「予想もしていない球団でビックリしています」。伊志嶺吉盛監督(52)と臨んだ校内での会見の席でも、大嶺は表情ひとつ変えなかった。

 幼年時代からあこがれだったプロ入りだが、苦渋の決断を下すことになりそうだ。伊志嶺監督は「進学は100%ない。社会人か、1年間浪人するか、プロに行くか、3つの選択肢になる」と大きなため息をついた。ソフトバンク小川一夫編成部チーフスカウト部長(51)らが1巡目指名を伊志嶺監督に伝えた19日。大嶺は監督を交えて家族会議を開き、ソフトバンク以外なら浪人で1本化。さらに23日、伊志嶺監督は石垣島にいた大嶺を秋季大会中で滞在していた那覇市のチーム宿舎に呼び、2日間、2人で話し合い、ソフトバンクか浪人か、今後の進路が二者択一で変更ないことを確認したもようだ。

 家庭の事情で3歳から祖父母に育てられた大嶺だが、小学2年から11年間、二人三脚でプロ注目投手に育ててくれたのは伊志嶺監督だ。“オヤジ”代わりを務めてきた監督は、精神面でもろさを見せる大嶺に社会人入りを薦めてきた経緯もある。「大嶺にはプロで勝てる投手になってほしい。2、3年で終わる選手になってほしくない。バックアップしていけるのは私しかいない。応援したいなと思っている。高校が4年あれば心も体も即戦力として送り出せるけど…」。伊志嶺監督は、石垣島で心身ともに1年間の浪人生活を経て、プロに再挑戦させるプランをほのめかした。

 会見後、ナインからの胴上げを予定していたが中止となった。大嶺は「目の前に(30日開催の兵庫)国体があるので、それが終わってから、じいちゃんとばあちゃんと監督と相談して(進路を)決めたいと思います」と慎重な姿勢を崩さなかった。意中球団を選べない運命のドラフトで、18歳の高校生が、苦難の岐路に立たされた。【浜崎孝宏】

会見での大嶺一問一答

 ─ロッテが1巡目で入団交渉権を獲得した

 大嶺 千葉ロッテさんには1位指名していただき感謝していますが、自分でも予想していなかった。目の前に(30日開催の兵庫)国体があるので、終わってから、じいちゃんとばあちゃんと監督と相談して(進路を)決めたいと思います。

 ─ロッテの印象について

 大嶺 素晴らしいチームだと思います。(1巡目指名で)期待されるのは、うれしいけど、今は目の前に国体があるので…。今は(進路を)考えていない。

 ─ロッテの指名は予想していたか

 大嶺 予想もしていない球団でちょっとビックリしました。監督から聞いていなかったので、どこの球団の指名が来るか分からなかった。

 ─プロ野球選手は少年時代からの夢だったが、今でも変わりはないか

 大嶺 野球を始めたときはプロ野球選手にあこがれて始めた。夢には変わりありません。

 ─今後の進路を決めるのに時間がかかるのか

 大嶺 (伊志嶺)監督と話して納得するまで話すことになると思う。(結論を出すまで)長くかかると思う。

 ─石垣島の野球少年に何かメッセージを

 大嶺 目標を持って得意なものを一生懸命やれば夢がかなうと思う。自分ができることを目標に向かって、一生懸命目指すことが大事だと思う。

[2006年9月26日8時33分 紙面から]

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